輪島塩のできるまで

1.海水をまく

  カヨケ(荒瀬桶)という肩荷棒を用いて海水を

  スコケ(引桶)という大きな桶にみたします。

  スコケの中に入り、ウチョケ(打桶)という

  紡錘型の手桶で海水を塩田に霧のように

  まきます。均等にまくには熟練の技が必要

  です。

2.砂を集める

 午後に天日で乾燥したカンサをエブリ(柄振)

 を使い塩田の中心にあるヌイ (沼井)に集め

 ます。進む方向に後ろ 向きで、右腕でエブリ

 を上から押さえ 左腕は身体の後ろを廻して

 エブリを下から握るという独特の光景です。

3.タレフネをつくる

 ヌイ(沼井)の上にスノコを置いた上に板を

 組み立てタレフネを作ります。

 集めたカンサをスッパツという木製のスコッ

 プでタレフネの中に入れます。この作業を

 「込み」といいます。

 

4.ろ過する

 タレフネ(沼井)に込んだカンサの上にム

 シロを敷き、モンダレ(藻垂)とよばれる

 昨日の最後の浸出液を上からかけます。

5.カンスイ集め

 つづいて上から海水をかけ、カンサに付

 着した塩分を溶かしてアイオケ(間壷)と

 いうタレフネの下にある水槽に濃度の高

 い海水をためます。これがカンスイと呼

 ばれる塩のもとです。

 塩分濃度は約20度。

6.荒焚き

 カンスイを釜屋のカンスイ溜めに運んで

 おく。平釜に移して数時間かけて塩分24

 度まで荒焚きします。

 そのカンスイをモンダレ(藻垂)というろ過

 装置で漉します。

7.本焚き

  約12時間かけてゆっくり水分を蒸発さ

  せます。かまどに常時気を配りながら

  薪をくべるのは重労働です。

8.ニガリを取り除く

  塩がソフトボール状に結晶し始めたら

  残った水分を取り除きます。

  これがニガリ(苦汁)です。

  塩化マグネシウムなどのミネラルを多

  く含む、塩づくりの副産物で豆腐の凝

  固剤などに使われます。

9.塩を塩床にだす

  焚きあがった塩を大釜からスッパツを使い塩床に出し

  ニガリを切ります。

  出来上がった塩を検品して袋詰めして輪島塩のでき

  あがりです。

10. タレフネを取り外す

   タレフネの囲いを外し、塩分を洗い流さ

   れた後の砂、ガイシャをハネという道具

   を用いて塩田全体に均一にまきひろげ

   ます。

11.砂をまきひろげる

  撒布したガイシャ(骸砂)をスッパツで

  均等にならします。そしてコマザラエで

  筋目をたてます。

12.砂に筋目をたてる

  表面積を大きくする事で風通しを良くして

  海水の乾きを早める役割があります。

  一日の終わりに海水をまいておきます。